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同人サークル<アレ★Club>公式ブログ(通称:「アレ★Blog」)

ジャンル不定カルチャー誌『アレ』を作っている<アレ★Club>の日々の活動記録です。

第二十二回文学フリマ東京を振り返る~文フリは『オフ会』なのか?~

さいむ 堀江くらは 対談 市川遊佐

5月1日、東京流通センターで第二十二回文学フリマ東京(以下:文フリ)が行われた。毎回盛り上がりを見せる文フリだが、今回は会場がいつもの東京流通センターの第二展示場から第一展示場に進化(?)しての開催となった。では、文フリの中身はどのように変化したのだろうか? 出展者・寄稿者・来場者として文フリに参加してきた三者が「現在」を語る。

 

★対談者紹介★
●市川遊佐(@ichikawa_yusa
理系な<アレ★Club>の副代表。文フリ参加歴4年。実は文フリでのサークル参加経験アリ。

▼さいむ(@_Thursday_man_
来場者として文フリに4年間足を運ぶ。『アレ』Vol.1で自身初となる寄稿を予定。趣味は『ひとりぼっちの地球侵略』の布教。「舌足らずですみません。~ひとりぼっちの地球侵略感想ブログ~」を運営中。

■堀江くらは(@kuraharu
<アレ★Club>所属。本業はライター/編集者の人。かつて勤めていたメディアが文フリを取り上げたことがある。来場歴は5年。

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 ■くらは
今回の文フリ、立場は違いますが皆さんお疲れ様でした。あれから2週間が経過しましたが、今回の文フリっていかがでしたか?これまでの文フリと比較してでもいいですし、今後の文フリについてでもいいですし、何か感想はありますか?

 
市川
自分は評論ジャンル畑の人間なので評論ジャンルに限定しますが、この4年間で「メンヘラ」とか「左翼」を前面に押し出したサークルが減った印象がありますね。

 
▼さいむ
それは私も感じました。イロモノというか、良くも悪くもキャッチーなコンセプトをウリにするサークルが減ったように思います。あと、これは評論ジャンルのサークルを見てて思ったのですが、新刊を出しているところがそんなに多くなかったような……同じく印象ですが。

 
■くらは
「メンヘラ」に関して言えば、はるしにゃん氏が亡くなって(?)から、明らかにメンヘラをウリにするサークルってなくなりましたよね。彼自体は結構話題の人物だったし、コンテンツ力も高かったと思うんですが、彼の追悼特集が組まれたり、彼をフォローイングするような本が作られたりはしていない。

 
市川
「他の人が書いたものに言及する」という習慣が文フリ界隈にはあまりないのかもしれませんね。引用しろとかそういう話以前に、議論を発展させていこうという動きもなさそうですし。

 
▼さいむ
出店者がサークルを畳んでしまうと、その出店者固有の考えが失伝してしまう現状があると思います。出店者は現在進行形で増えています、大抵のサークルは多数の書き手にアンソロジー的な文章を書いてもらい、それらを一冊にまとめて頒布しているように感じます。恐らく団体で一冊の文芸誌を作った時点で精力を使い果たしてしまうことがあるんじゃないでしょうか。文章は一読してその中身と射程が読み取れるものでもないので、サークル単位でのコンセプトやカルチャーが中々醸成されないのでしょう。

 
■くらは
一方コミケでは、伝承するものがあるし、伝承も機能してるんですよね。コミケだとエロ系のサークルを中心に個人で絵を頒布するサークルが多い。描くエロの絵柄とか話のパターンとかの文化(というか性癖)がしっかりと継承・発展されていっていると思います。

 
市川
コミケで思い出したんですが、コミケは明らかにお祭りですよね。確か東浩紀がゼロアカ道場の時に「ゼロアカは批評を祭りに変えてしまった」みたいなことを言ってたと誰かから聞いたことがあるのですが、あれって考え方によってはゼロアカは文フリを祭りに変えてしまったとも言えると思うんです。で、何が言いたいかと言うと、はたして文フリがお祭りでいいと思っている人ってどれくらいいるのかな、と……。

 
■くらは
文フリ運営側は文フリを始めた当初から「コミケの文章版」を志向していたようですですので、ゼロアカが文フリをお祭りに変えたというのは真実ではないと思います。ただ、それでもゼロアカに関しては、東本人も文フリの参加者も成功したとは思っていないようです

togetter.com

 その理由については、やはり「お祭り」以上にならなかったからだという仮説は正しいと思います。コミケも文フリもお祭りなんだけど、コミケにはサークルの思想の伝承が機能しているが、文フリにはそれがない。

 
▼さいむ
実際、文フリはネットの延長線上にあるお祭りみたいになっていると思います。同人誌を一緒に作るのも、作った同人誌を買ってくれるのも、SNSでつながりのある人ばかりで、一種のオフ会みたいになっているのではないでしょうか。

 
●市川
私も人間関係が文フリに参加する理由になっているように感じます。実際、私も誰かに会うために文フリに足を運んでいますからね。でも、そういう人たちがいる一方で、何かを伝えたくて同人誌を作っている人も一定数いるとは思っています。そこで気になるのは、何かをただ伝えるだけならば、今はSNSやブログがあるのに、どうして伝わりづらい同人誌を作っている人たちがいるのか、ってことですね。

 
■くらは
文フリがオフ会化しているかどうかに関わらず、文フリの中心人物は同人誌を作っている人だと思います。そういう人たちに話を聞くことで「何故Web時代にあえて同人誌を作って文フリに出すのか」という疑問が解消されるかもしれませんね。じゃあ、『アレ』Vol.1の企画で「なぜ今同人誌を作るのか?」ってテーマで座談会でも企画しましょうかね。皆さん今回はありがとうございました。

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後日……

くらは「って感じで、鼎談終わりました」

代表「じゃあ、座談会、開催決定!」
by<アレ★Club>代表の山下泰春

 

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