メンヘラ薬とマリファナについて本気は出さず考えてみた
●市川遊佐(以下:市川)
前回、ハクスリーの『すばらしい新世界』について触れた際に、薬物の話になったよね。薬物と社会の関係で言えば、たとえばアメリカでは仕事がキツすぎて多くの人が抗うつ剤のお世話になっている。薬物は違法なドラッグについてだけでなく合法な医薬品についても、もはや社会問題になりつつあるわけです。そしてこれについて永井君は一家言あるとおっしゃっていましたが……。
◆永井光暁(以下:永井)
じゃあ、今の抗うつ剤を、『すばらしい新世界』の「快楽薬(ソーマ)」と比べてみようか。ソーマを飲めば、どんな人もたちまち楽しい気分になり、不満と無縁に暮らせるようになる。いさかいの元になるような行動をする気が失せるからね。これに対して抗うつ剤は、ストレスを軽減してはくれるけど不満を根絶はしてくれない。だって、不満の原因は別にあって、それ自体はなくならないんだもん。
●市川
ああ、そういえばソーマには人間の行動を変える効力があったね。不快な気分になった時にソーマを飲むと、今ある不満がなくなるだけでなく、その原因になっていた「相手を不快にさせようとする気持ち」もなくなる。少なくとも作中では、ストレスが溜まって相手を不快にしてやろうという気持ちになるのがいさかいの原因だったので。だから、ソーマを飲むことが問題解決になっていると。
◆永井
そう。でも抗うつ薬を飲むことでできるのは、「目の前の課題から降りない」こと、もっと言えば「耐え続ける」ことだけ。一歩も進んでいない。むしろ、抗うつ剤はある意味で社会の軋轢や不安の象徴となっているから、ぶっちゃけソーマよりもタチが悪い。「行き止まり」のイメージとして人々にマイナスの感情を、もっと言えば絶望を与えているんじゃないかなぁ。
●市川
実際、「どん詰まり」を感じた時って、途方に暮れるよね。実は俺も去年そうだった。(笑)そういう時はどうすればいいんだろう?永井君は何かオススメの方法とかある?
◆永井
俺はどちらかと言うと「不満の原因がない社会」肯定派なのでアレだけど、ぶっちゃけマリファナを解禁すればいいんじゃないかなって最近思うようになった。(笑)マリファナは人を優しい性格にする傾向があるって科学的に認められているし、他の薬物と比較して害が少ないからね。ってか、医学的に良い効果があるって分かってきたモノを、法律によって研究すらできないようにしているって、かなりおかしなことだと思うんだよね。
●市川
その背後にはGHQの存在が……おっとこんな夜中にチャイムが。はーい誰ですかー?
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代表「炎上しそうな話はやめて!」
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