見えてこない「若者像」を考える~ネットの中の若者文化~
★対談者紹介★
●市川遊佐(@ichikawa_yusa)
<アレ★Club>の副代表。「自分はもう若者ではない」と悟って色々と辛いお年頃。
▼さいむ(@_Thursday_man_)
『ひとりぼっちの地球侵略』が生きがいの人。『アレ』Vol.1に論考を寄稿予定。
■堀江くらは(@kuraharu)
<アレ★Club>所属のライター/編集者。
●市川
僕、メディアに関わる者として、昔から狭い世界での常識しか通用しない人にはなりたくなくて、そのためにいろんな人と知り合おうとしてきたんですよ。でも最近、若者とどうやって知り合えばいいのか悩んでまして……。
▼さいむ
「若者」って、どのあたりの年齢層のことを言うんです?
●市川
今は「多くの人と知り合う」のが目的だから、よく会う親戚とかではカバーしきれない層ですかね。僕の場合だと……あ、親しい親戚がいないから、20歳くらいから下全域です(笑)でも、そういう子とどうやって友達になればいいんでしょう、知り合う機会がないんですよねえ……。
▼さいむ
それは、彼らと私たちで住んでいるメディアが違うからじゃないですか。お年寄りは文通やラジオ番組のお便りコーナーで、若者はSNSで、という印象ですけど、そのSNSの中でも、私たちはTwitterを、若者はLINEをメインに使用している感じはしますね。まあ、私も広義ではまだ「若者」ですけど。
●市川
LINEメインだと、普通は直接対面で会うまでは繋げないですよね。ああ、だから知り合う機会がないわけだ。これは工夫が必要ですね……あと、他にも今の若者が使ってるメディアについて、僕らと違うところってありますか?話題は知り合う前に共有しておきたいですし。
▼さいむ
今だと、Twitterで「◯◯高校入学しました」とつぶやくことで、同期同士で集まって、先に友達に「なっておく」人は増えたように思います。たまにプロフィールで「◯◯高校××期△△部所属」みたいな自己紹介を書いてる人とかいるじゃないですか。
●市川
一昔前なら2chでやってたやつですね(笑)その後リアルで知り合ってから、今度はLINEで繋がって……という感じの。LINEは既存の関係性を強固にするために使われるSNSですね。まあ、他にも使い途はあると思いますが……うーん、Twitterの実名アカウント同士で親しく会話してる人たちの中にも、ちょっと入りにくいですね。苦しい。
■くらは
LINEを中心に使うということは、彼らが日頃使っているモノはスマホがメインだということでもあります。若者がこれまでの流れと違って逆にパソコンに弱くなっているというのは、最近よく言われていることですね。
●市川
使ってるメディアだけじゃなくデバイスも違うんですね。そこまでくると世界観すら変わってきそうだなあ。僕らが素のノリで彼ら若者にアプローチしても、多分「なんかノリが違う人が絡んできたな」と思われて仲良くなれないかもしれない。僕らから見て一回り上の世代のノリが、僕らからすると「なんか、合わない」気がして、嫌な感じがすることすらあるみたいに。
■くらは
僕には中学生の甥っ子がいるんですが、彼らはニコニコ動画ではなくYoutubeを視聴するそうです。その理由が「登録が面倒くさいから」というから驚きです。僕らの世代では考えられなかった。それに加え、今ではニコ動を「おじさんの使ってる」ものだと考える若い人もいるみたいです。ナウでヤングな方々は、Vine等の新しいメディアを使っている。しかも、若者が使っているSNSは多岐に渡るので、なかなか現状が掴めない。
他にも、「若者のメール離れ」がニュースになっていました。これも僕たちの世代とはかけ離れている。色々な部分で、若者が遠くなっている気がします。
●市川
使うメディアとデバイスが変わることで、最近の若者のコミュニケーションのスタイルだけでなく、感性や考え方すらも私たちのそれと違うものになっているかも、という話ですね。もし、今まで話した通りに私たちと若者の価値観が違うとすれば、私たちもメディアを提供する立場のものとして、彼らとの向き合い方を考えないといけないでしょうね。
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まだ20代前半の山下泰春「機関誌『アレ』Vol.1では若者論も取り上げる予定です!」
若さってなんだ?(懐疑)